美容師・理容師の免許を両方取得(ダブルライセンス)のメリット&デメリット

公開日:2025/02/17   最終更新日:2025/06/05

ダブルライセンス

美容師や理容師で働く場合、それぞれ国家資格免許が必要です。どちらか一方の免許を取得している人もいれば、両方取得している方もいます。美容師と理容師は同じ美容業界ではあるものの、業務内容には異なる点があります。この記事では美容師と理容師の免許を両方取得するメリットとデメリットについて解説しましょう。

理容師と美容師の違い

理容師と美容師は、見た目を整えるという意味では似ている職業ですが、実は法律や業務内容が大きく異なります。理容師は「理容師法」、美容師は「美容師法」という別々の法律のもとで定義されており、それぞれに必要な国家資格も異なります。

理容師は「頭髪の刈込、顔そり等の方法により容姿を整える」ことを専門としています。特徴的なのは、顔そりができるという点です。また、染毛やパーマなどの施術も可能で、常に器具やタオルを清潔に保つことが義務付けられています。

一方の美容師は、「パーマネントウェーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくする」ことが仕事です。ヘアセットやまつ毛エクステンション、メイクなどの美容技術が含まれる点が理容師との違いになります。もちろん、美容師にも衛生管理は欠かせません。

資格取得のプロセスにも違いがあります。どちらも厚生労働省が指定した養成施設で学び、筆記と実技の国家試験に合格する必要があります。理容師試験ではカッティング・シェービングおよび顔面処置・整髪の3項目、美容師試験ではカッティングとオールウェーブセッティング(またはワインディング)の2項目が実技試験の対象となります。似て非なる専門性を持っているため、それぞれの役割を正しく理解することが重要です。

ダブルライセンスを取得するには

理容師と美容師、両方の免許を持つ「ダブルライセンス」は、理美容の現場で活躍の幅を広げたい人にとって大きな武器になります。かつてはそれぞれ2年ずつ学ぶ必要があり、合計4年間の通学が必要でした。しかし、平成30年度の法改正により、片方の資格を持っていれば一部科目の履修が免除されるようになり、以前に比べて短期間で両方の取得が目指せるようになりました。

ダブルライセンスを持つことで、理容と美容の両方の業務が可能になります。たとえば、顔そりとヘアセットを同じサロンで提供できるようになるため、特にブライダルやトータルビューティーの分野で重宝されます。また、店舗によってはスタッフ全員がダブルライセンスを取得することで、より幅広いサービスを展開する動きも見られます。

ダブルライセンスを効率的に取得したい場合は、専用コースを設けている専門学校の利用がおすすめです。たとえば、ダブルライセンス取得に特化した専門コースを設けている学校もあります。3年制のカリキュラムで国家試験の合格を目指せるほか、2年の課程に通信教育を組み合わせて効率よく学習できるスタイルを採用しているケースも見られます。働きながら資格取得を目指せる制度や、学費負担を軽減する奨学金制度を整備している学校もあり、自分のライフスタイルに合わせた学び方が可能です。

一度取得した資格を活かしつつ、もう一方の国家資格に挑戦することで、キャリアの可能性が大きく広がります。今後ますます理美容業界で求められる多機能型人材を目指すなら、ダブルライセンス取得は有効な選択肢と言えるでしょう。

法制緩和により美容師・理容師のダブルライセンスは取得しやすくなっている

平成30年度に「理容師法」「美容師法」が改正されました。この法律改正によって理容師と美容師のダブルライセンス取得が容易になっています。

理容師・美容師免許の一方を取得している方に限って、もう一方の免許取得時に受験科目や履修時間が大幅に減免されたのです。

ダブルライセンスの取得期間

両方の免許を取得する期間は、これまでは美容師2年間と理容師2年間の計4年間で両方の資格が取得できていました。

法制緩和によって現在では、美容師2年間と理容師1年間もしくは理容師2年間と美容師1年間の計3年間で取得が可能になったのです。

受講生への時間的・金銭的な負担は軽減され、筆記試験の出題範囲も新しい範囲だけになったため、以前合格した範囲の勉強のし直しは必要なくなりました。

美容師・理容師のダブルライセンス取得のメリットとは?

美容師になるか、理容師になるか迷っている場合、両方免許を取得しておこうと考えている方は多いでしょう。ここでは両方の免許を取得するメリットについてまとめます。

幅広い技術を取得できる

両方の資格があれば、幅広い技術を取得できます。美容師はパーマ、カラー、カット、ヘアセット、着付け、まつ毛エクステ、まつ毛パーマなどの技術を習得できます。まつげパーマの施術も可能でアイリストとして働くことも可能です。

一方理容師はパーマをかけることは認められていませんが、顔そりが可能です。どちらの資格も取得しておけば、カット・カラー・パーマ・ヘアセット・顔そりとオールマイティに仕事をこなせるでしょう。

働く職場を選びやすい

美容師であれば「美容院」、理容師であれば「理容院」で働くというイメージが強いかもしれません。しかしダブルライセンスを取得していればさまざまな職場で活躍できるため、仕事の幅が広がります。

理容師免許があれば、ブライダルサロンやシェービングサロンで仕事が可能です。シェービングと聞くと男性のイメージが強いかもしれませんが、ブライダル業界ではシェービングができる理容師免許を持つ女性スタッフがとても重宝されています

美容師免許があれば、アイラッシュサロンでアイリストとして働くことが可能です。また結婚式場での新郎新婦のヘアメイクスタッフや、テレビ局・ファッション業界で芸能人やモデルにヘアメイクをするメイクアップアーティストになる人もいるでしょう。

近年ではさまざまなジャンルのビューティサロンが展開されており、ヘッドスパサロンでヘッドスパ二ストとして活躍する方もいます。

また病院・介護施設など美容院へ行くことができない人のために訪問して施術を行う「福祉美容師」という職業も注目を集めています。

顧客層の拡大

美容師と言えば女性をターゲットにしているイメージが強いでしょう。逆に理容師は男性客をターゲットにしたイメージがあるかもしれません。美容師と理容師の両方の免許があれば、男女問わずさまざまな顧客へ技術を提供できます

性別関わらず幅広い世代の人に施術をしたいという人は、美容師免許と理容師免許どちらも取得しておくと活動しやすくなるでしょう。

就職・転職に有利になる

両方の資格を取得していれば、勤務先の選択肢が増えるため、就職や転職に有利になります。美容師または理容師のどちらかの仕事に就職した後に、もう一方の技術を活かす職場で働きたいと思った時にも転職しやすいでしょう。

フリーランスとして両方の技術を活かすことができる

ダブルライセンスを取得している場合、どちらかの資格を副業またはフリーランスとして活躍できます。

たとえば普段は理容師として業務委託で働き、休日はフリーランスとしてブライダルサロンでヘアセットや着付けをする美容師として働くなど自由度の高い働き方が可能です。

美容と理容を同一店舗で行える

スタッフ全員が美容師と理容師の免許を両方取得している場合は、理容院と美容院を同一店舗で行えます。

同一店舗で美容と理容を行っている店はあまりないため、今後新業態で起業することで飛躍的に成功する可能性があります。

美容師・理容師のダブルライセンス取得のデメリットとは?

両方の資格を取得していれば仕事の選択肢は増え、自分に合った働き方を見つけやすいです。しかしデメリットもあります。ここではダブルライセンス取得のデメリットについて解説します。

学費と取得時間の負担増

美容師と理容師、両方の資格を取得するには、1つの資格を取得する場合に比べて費用と時間がかかります。どちらか1つだけの免許を取る場合には、2年間で取得可能ですが、両方の免許を取得する場合には1年間多い計3年間の勉強が必要です。

また学費も美容師・理容師の両方分を支払わなければなりません。時間と金銭的な余裕がなければ難しいでしょう。

業務範囲が分散されやすい

美容師と理容師の資格を両方持っている場合でも、どちらかの資格業務に偏ってしまった場合、ダブルライセンスの良さを活かせない場合があります。

たとえば美容院で働いている場合、理容師の資格を持っていても顔そりをすることはありません。そのため理容師としての資格を活かせて仕事ができていないため、宝の持ち腐れになってしまう場合があるでしょう。

理美容院が同施設の場合はダブルライセンス取得が必須

理容院と美容院両方のサービスが提供できる理美容一体型のサロンの場合、そこで働くスタッフは全員が理容師と美容師の免許をどちらも取得している必要があります。美容師の資格しか持っていない、または理容師の資格しか持っていないという人は働けません。

ダブルライセンスを取得できるおすすめの学校「学校法人伊勢整容学園」

三重県にある学校法人伊勢整容学園は美容師と理容師のダブルライセンスを取得できる「伊勢理容美容専門学校」を運営しています。学科コースは3年制コース、理容科、美容科、トータルビューティ科などがあり、通信課程にも対応しています。

3年制コースは理容師免許と美容師免許の両方の資格を取得できるコースです。最初の2年間は理容科か美容科で学び、最後の1年間では卒業した学科とは違うもう1つの学科で新たなスキルを習得します。

伊勢理容美容専門学校では理容師または美容師どちらかの国家資格取得後に、もう一方の資格を取得できる「取得者課程」のコースもあります。

理容師・美容師として働き始めた後に、もう1つの資格も取得したいという場合には取得者課程で学ぶことで、免許取得が可能です。

ダブルスクール制度あり

伊勢理容美容専門学校ではダブルスクール制度があり、スクリーング費用を最大9万円免除しています。卒業後の進路選択や仕事の幅が広がりやすいです。

試験合格率と就職率の高さ

伊勢理容美容専門学校では理容師・美容師国家試験に学生全員の100%合格を目標にしています。合格保証制度を導入しており、受験講習費を無料にして資格取得まで完全バックアップが可能です。

学生1人ひとりに合わせたきめ細やかな対応で就職まで丁寧にサポートしており、就職率は毎年100%を達成しています。

豊富なコンテスト実績

伊勢理容美容専門学校は毎年優秀な成績を収めている表彰台常連校です。少人数制による生徒ひとりひとりに合わせた密着指導を徹底しており、全国大会での実績が豊富です。

まとめ

美容師と理容師の免許を両方取得する人が増えています。両方の資格を持っていれば、幅広い技術を取得でき、働き口の選択の幅が広がります。また両方の技術を活かして仕事ができるので顧客層の拡大にもつながるでしょう。就職や転職にも有利になるなど、さまざまなメリットが考えられます。その一方で美容師と理容師のダブルライセンスを取得するには時間と費用がかかります。また業務範囲が分散されやすく、どちらかの業務に偏ってしまうこともあるでしょう。美容師・理容師免許を両方取得したい方は、ダブルライセンス取得に対応している学校に通いましょう。

全国から入学者多数

伊勢理容美容学校

伊勢理容美容学校の画像 引用元:https://www.ise-riyoubiyou.jp/
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