美容師と理容師の違いとは?それぞれの仕事の特徴を知ろう!

公開日:2022/08/15   最終更新日:2023/03/20

美容師

「美容師と理容師って一体何が違うの?」と気になっている方もいるのではないでしょうか。美容業界で働きたいと思った場合、美容師と理容師の違いは知っておく必要があります。この記事では、美容師と理容師の違いについてまとめているため、美容業界で活躍したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

美容師と理容師の違いとは?

美容師と理容師は異なる職種です。「では、どのような点が違うのか」と聞かれると、なんとなく違うというようなイメージしかない方が多いのではないでしょうか。似ている部分もありますが、違いもあるので見ておきましょう。

法律で分けられている

美容師と理容師は、法律で明確に違いが定められています。美容師は美容師法で美容を業にするものとされていて、厚生労働大臣から美容師免許を認められなければいけません。美容は、容姿を美しくすることとして定められているので、美容師は見た目を美しくしていく仕事と分かります。理容師は理容師法で理容を業とするものとされていて、こちらも厚生労働大臣から理容師免許を認められなければいけません。理容は、容姿を整えることとされていて、髭剃りや顔剃りなども含まれています。両者の違いは、容姿を美しくするのか整えるのかという点にあります。

仕事内容での違い

法律の面で異なる理容師と美容師ですが、仕事内容でも違いがあるのです。美容師の仕事内容は、ヘアカットやカラーリング、パーマ、スタイリングなどで、髪の毛をより美しくしていくという仕事です。最近はヘッドスパなどを行う美容師さんも増えています。さらにネイルやまつエク、エステ、メイク、着付け、ヘアセットなどを取り入れている美容室もあります。これらのサービスができるのは美容師だけです。理容師は行えません。理容師の場合は、シェービングがあります。顔剃りの仕事は理容師しかできません。

共通点もある

美容師と理容師の仕事は違いがありますが、同じ点はカットやカラーを行うという点です。日々の業務内容については共通点が多いといえるでしょう。

美容師になる方法と理容師になる方法

美容師と理容師は、どのようにしてなるのかという点で違いがあります。美容師になりたい場合は美容師免許理容師になりたい場合は理容師免許を取得しなければいけません。この免許を取得するためには、試験の受験資格が必要です。厚労省が指定した専門学校や養成施設を卒業することで、受験資格を得られます。その後、国家試験を受けて合格すれば免許を取得できるのです。美容師を目指す場合と理容師を目指す場合は学ぶカリキュラムに違いがあるので、目指したいほうに合う学校を選ぶ必要があります。

理容と美容の定義とは?

美容師法と理容師法によると、それぞれの定義は以下のようになっています。

理容:「理容とは、頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えることをいう。(理容師法第1条の2第1項)」
美容:「美容とは、パーマネントウェーブ、結髪(けっぱつ)、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう(美容師法第2条第1項)」

かつて理容師は「理髪師」とよばれており、法律の定義としても「理美容師法」と一つにまとめられていました。しかし、業務内容とその範囲を適切に決めることを目的として、1957年に美容師法と理容師法として分かれることに。

2つは類似しているものの、それぞれに細かい違いがあります。理容師法と美容師法では、「それぞれの業務を行うための施設を理容室・美容室」と名付けると同時に、基準を満たしているかのチェックも義務付けています。

美容室はヘアカラーや化粧、ヘアアレンジのサービス力が豊富なことから女性が利用するイメージが一般的です。しかし、最近では男性がこれらのサービスを利用する機会も増えており、美容・理容の明確な定義が難しくなっています。

美容師と理容師どちらを目指すべき?

美容師と理容師のどちらを目指したらよいのか悩んでいる人もいるかもしれません。どちらも魅力的な仕事ですが、より自分に合うほうを選びたいですね。

美容師が向いている人

美容師はお客さんを美しくするという仕事です。美容に興味があるという場合は、美容について幅広く学べる美容師を目指すとよいでしょう。美容に敏感、流行に敏感という人は、美容師が向いています。

理容師が向いている人

理容師はお客さんの見た目を整える仕事です。見た目を整える仕事は、綺麗にするという点とは似ているようで少し違います。そしてとても細かな技術が必要といえます。見た目を整えるために数ミリ単位でこだわっていくという気持ちがある方、細かな作業が好きな方に向いているのです。専門的な技術やスキルを伸ばしていきたいなら理容師がおすすめです。

理容師と美容師の試験科目の違い

理容師と美容師になるためには国家試験に合格する必要がありますが、それぞれ試験科目は異なります。美容師は筆記の美容技術理論に加えて、頭髪にロッドなどを巻き付ける「ワインディング」やウェーブをかける「オールウェーブセッティング」の実技試験が行われます。美容師試験は理容師と比べて、ヘアスタイルに特化した技術を求められるのが特徴です。

一方、理容師は理容技術理論のほか、カッティングに加えて、シェービングや髭剃り、整髪のどちらかを選ぶ実技試験が行われます。理容師試験の場合は髪だけでなく、顔全体のスタイリングに関する技術が求められるのが特徴です。

理容師と美容師では、筆記試験に大きな違いはないものの、実技試験において求められる技術が異なります。試験を受ける際には、それぞれに求められる技術や知識を身に着けるようにしましょう。

また、2つの試験は合格率にも違いがあります。公益財団法人「理容師美容師試験研修センター」の調査によると、美容師の合格率が約65~75%なのに対し、理容師は約50~70%となっているようです。これらの差は、受験者数が大きく関係しています。美容師は毎年1~2万人の受験者に対し、理容師は1~2千人となっています。このように、理容師と美容師の試験には合格率や試験科目に大きな違いがあるのも特徴です。

理容師・美容師の資格を取得した後の就職先

ここまでで理容師と美容師の違いについて解説しましたが、就職先に違いはあるのでしょうか。「試験科目が異なっているのだから就職先も変わるのでは?」と考えている方がほとんどだと思います。

結論から言うと、理容師と美容師の就職先に大きな違いはありません。最近では、理容師が美容室で働くこともあります。基本的に求められる技術が同じなため、就職先もほとんど変わりません。

しかし、それぞれにおける専門技術によって就職先にわずかな違いがあります。例えば、理容師はシェービングの技術を生かして専門店を経営することができます。
一方、美容師はスタイリングの知識を生かして、結婚式場のスタイリストとして働くのも選択肢の1つです。

このように、細かな違いはないものの、それぞれの専門性によって就職先は変わります。美容師か理容師を選ぶ際には、就職先の選択肢を考えたうえで決めるようにしましょう。

美容師と理容師、両方の資格を取得するのもおすすめ

さまざまな場所で活躍したいという場合、美容師と理容師の免許をどちらも取得するダブルライセンスというのもおすすめです。実際にダブルライセンスで活躍されている人もいます。

ダブルライセンスを取得したい場合

ダブルライセンスを取得したい場合、美容師と理容師の両方の資格を取得することになります。そのため2つの国家試験を受験しなければいけません。これまでは2つの専門学校を卒業しなければならないとされていたのですが、2018年からは制度が改正されたことで、ダブルライセンスの取得もしやすくなっています。まず美容師か理容師の免許を取得しておくことで、片方の学校に通う期間を短縮できるので、最短3年あればダブルライセンスが取得可能になるのです。ダブルライセンスを取得していると、ひとつのサロンで美容室と理容室を営業できるというメリットもあります。

理容師と美容師の資格を両方取得するデメリット

理容師と美容師の2つを取るデメリットは、「取得に時間がかかること」です。片方の資格を取得する場合は、昼間または夜間課程で2年以上、通信課程で3年以上かかります。大半の方は、専門学校在学中に取得することが多いため、2年間が目安といえるでしょう。

一方、2つを同時に取得する場合は最低でも3年かかります。専門学校によっては同時に取得できるコースも用意されていますが、少なくとも2年半は必要です。このように、2つの資格を取ることには、他よりも就職のタイミングが遅れてしまうデメリットがあります。

また、2つの資格を持っていても使うスキルは限られているところもデメリットです。美容師としてデビューしても理容師の資格を使うシーンはほとんどありません。2つの資格が求められるお店は少ないので、両方のスキルをうまく生かすのは難しくなります。

3年で美容師と理容師の資格を取得できる
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まとめ

美容師と理容師の違いや、それぞれの仕事の特徴、資格取得についてお伝えしました。ダブルライセンスの取得は、独立開業したい人にもおすすめといわれています。もし将来的に独立開業も検討しているなら、ダブルライセンスも目指してみてはいかがでしょうか。まずは、美容師または理容師、どちらを優先させて資格を取得するのか決めましょう。

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